はじめに

人物設定

エドワード・エルリック


アルフォンス・エルリック


アレクサンドライト・ミュラー


ロイ・マスタング


マース・ヒューズ


キング・ブラッドレイ

はじめに

アメストリス暦1915年。
軍部が一層の台頭を目指す中、その動きを促進させる事件が起きた。
4年前、若干12歳で国家錬金術師資格を得た、『鋼の錬金術師』エドワード・エルリックとその弟アルフォンス・エルリックが、伝説の中だけに名前をとどめていたはずの、『賢者の石』生成に成功。人体実験の結果、弟アルフォンスは失っていた自らの肉体を、兄エドワードは右腕左足を取り戻すことに成功した。
宿願を果たしたことにより、兄弟は国家錬金術師資格を返上することも考えたが、ここに大総統命令の軍令が下る。
軍属扱いだったエドワード・エルリックは軍人扱いとし、中佐位を与える。
アルフォンス・エルリックは賢者の石生成を国家錬金術師資格試験対象研究として、国家錬金術師資格を与え、『鋼成の錬金術師』の異名を与え、中央第1研究所勤務を命じる。
後見人であったロイ・マスタング大佐は、准将に昇格した。
大総統の決定は、結局賢者の石を、軍事目的に研究することを示すと同時に、知れ渡ってしまった『エルリック兄弟』を、保護という目的で頻発するテロリストから庇護するという意志も見せていた。



そんな中で、エドワード・エルリック中佐は、周囲からしてみれば一大発表、しかし本人にしてみれば宿願を果たしたので、必要がなくなったのであっさりと、発表した。
名前は本名ではあるが、実は女性であること、である。
ごくごく周囲の人間は知っていたが、『賢者の石』生成者の意外な発表に、大総統ですら呆気に取られたという。



アメストリス暦1918年。
軍部の根幹を揺るがしかねない事件も、起きている。
大総統キング・ブラッドレイが姿を消したのだ。
アメストリス中が捜索されたが、未だその姿は確認出来ず、軍部は混迷を極めた。
軍事国家であるアメストリスで、大総統の不在は為政者がいないことを意味する。
混乱の中、軍部は大将、中将の中から合議によって5名を選び【副総統】の任を与え、大総統代行として活動させているのが現状である。



かねてより、軍事国家として隣国に触手を伸ばしてきた、アメストリスである。
防御のためと称して、隣国がアメストリスに奪われた国土を、大総統失踪で混乱するアメストリスから奪おうとしても、無理はない。
最初に動いたのは、雪解けが始まったブリックス山脈の向こうに、鎮座する国。
大国ドラクマであった。



アメストリス暦1919年。
ドラクマからの進入は、春先ということもあり、意外に早く侵攻しつつあり、アメストリスからしてみれば防備が急を要することは分かっていた。
そのために、軍部は決定を下した。
かつて東部戦線に赴いた、
国家錬金術師の投入を。



そして策定された国家錬金術師編成部隊候補者リストの筆頭には、
『焔の錬金術師』ロイ・マスタング准将。
『鋼の錬金術師』エドワード・エルリック中佐。
そして、『双域の錬金術師』アレクサンドライト・ミュラー中佐の名前があった。
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